カプコン第46回定時株主総会事前質疑応答
2025年6月20日実施

カプコン『第46期 定時株主総会』が2025年6月20日 10時~実施され、今年も仕事合間にオンラインで傾聴だけさせていただきました。
質疑の中には、最近1000万本売上突破した「デビル メイ クライ」や「囚われのパルマ」の今後のシリーズ展開へのQAもあり、またロックマン関連については2回くらい質問がありました。
(※ロックマンの質問については昨年の株主総会でも行われ、良三さんが応答されていた覚えがあります)
その他「エグゾプライマル」の今後のサービス動向であったり、ここ最近のハード⾼性能化に伴う“開発⻑期化傾向”についても言及されていました。
こうした内容を含む『カプコン第46回定時株主総事前質疑情報』についてIR公式サイトにてオープン化されていますので、以下引用紹介致します。
事前質疑応答引用内容まとめ
当社の事業戦略推進に当たり、社外取締役に期待される役割について伺いたい。
当社がグローバル市場で持続的に成⻑するためには、適切なリスクテイクを⽀える環境整備が必要であると考えております。そのため、社外取締役には、企業経営に対する経験・識⾒、専⾨的知⾒などをもとに、事業戦略の推進に伴うリスクに対する管理体制の適切な整備に対する助⾔、提⾔を期待しております。 これにより、当社の持続的な成⻑と中⻑期的な企業価値の向上を図ってまいります。
本総会に上程されている社外取締役候補者の兼職先において不祥事があるようであるが、それぞれの事案について、当社としてそのような取締役を選任することについての考えを伺いたい。
社外取締役の兼職先における事案については、招集ご通知に記載のとおり、当社も把握しております。
当社においては、業務執⾏取締役と社外取締役との意⾒交換会等の適切な情報交換の場を設けるなど、積極的なコミュニケーションを図り、取締役会における監視・監督が有効に機能する体制の整備を図っております。これにより、社外取締役はそれぞれ⽇頃から当社取締役会等において、豊富な経験や⾼い⾒識、専⾨知識などに基づき、積極的な発⾔や提⾔、助⾔を⾏っており、社外取締役に期待される役割を果たしていただけるものと考えております。
監査等委員以外の取締役の再任の決定においては、専⾨スキルに加え、就任後の実績や活動状況、取締役会における発⾔等も踏まえ、当社の指名・報酬委員会からの答申および監査等委員会において適任との意⾒を受け、取締役会において決定のうえ、候補者としてお諮りしております。
新任社外取締役候補者のメットキャフ⽒を候補者とした理由および期待することは何か。
当社が全世界に向け事業展開を強化していく中で、グローバルな視点から、当社の取締役会において、助⾔・監督をいただける⼈材を候補者としたいと考えておりました。
国際的な企業経営および企業統治の分野における⾼い⾒識をお持ちである同⽒は、これらの豊富な知⾒、経験から当社の経営に有⽤な助⾔をいただけるものと考え、候補者としてお諮りしております。
同⽒は、KPMG LLPに所属しておりましたが、招集ご通知に記載のとおり、当社取締役会として社外取締役の独⽴性に影響を及ぼすものではないと判断しております。当社としましては、グローバルな視点をもとに、同⽒が当社取締役会の監督機能の強化に寄与いただくことを期待しております。
株主優待を導⼊する予定はあるのか。
当社は、株主様への利益還元として、毎期営業増益を継続し、当社株式の価値を⾼めるとともに、⻑期の株主様へは安定配当で還元していく⽅針であります。
2020 年発⽣の不正アクセスを経て、どのようなセキュリティ対策を強化したのか。
2020 年の不正アクセスを踏まえ、これまで原因究明と再発防⽌のため、様々なセキュリティ強化策を講じてまいりました。概要は次のとおりです。 当社は、社内専⾨組織の設置に加え、セキュリティや個⼈情報保護法制に関する外部専⾨家からなる、外部アドバイザリー組織である「セキュリティ監督委員会」を設置し、定期的に開催しております。
また、重要情報の棚卸作業を定期的に⾏い、社内ルールの⾒直しや管理策の厳格化等、継続的な強化策を実施しております。 このような対応⽅針のもと、多要素認証(※1)の全⾯的な導⼊、EDR(※2)に加えてXDR(※3)をベースとした SOC(※4)運営によるセキュリティ対策、当社グループ役職員の意識向上のための定期的な標的型メール訓練および各種研修等を実施し、取締役会に必要に応じて報告を⾏っております。併せて、万⼀の⾮常時に備えて、早期対処・復旧できる体制の構築にグループ全体で努めております。
今後も引き続き、当社グループはセキュリティ監督委員会の助⾔を参考に、さらなるセキュリティ⽔準の継続的向上に努めてまいります。
※1︓パスワードだけでなく複数の⽅法を組み合わせて本⼈確認する仕組みのこと
※2︓Endpoint Detection and Response の略。ユーザが利⽤するパソコンやサーバなどの機器に不審な挙動を検知するソフトウエアを導⼊し、迅速な対応を⽀援する仕組みのこと
※3︓Extended Detection and Response の略。ネットワークやシステム、クラウド環境など複数のセキュリティ領域を常時監視する仕組みのこと
※4︓Security Operation Center の略。SOC 運営は、システムやネットワークを常時監視し、攻撃の検出・分析・対応する組織体制のこと
『ストリートファイター6』について、ダウンロードコンテンツを継続的に展開しているが、今後の展開⽅針を伺いたい。
2025 年6⽉にNintendo Switch2向けに発売したほか、Year3として、キャラクターの追加も発表しております。 現状、多くのユーザーの皆様にプレイいただいており、ユーザー動向も⾒据えながら、⻑く楽しんでいただけるような取組みを引き続き進めてまいります。
『エグゾプライマル』について、今後いつまでサービスを継続する予定なのか。
『エグゾプライマル』は、新規IPであるとともに、オンラインタイトルとしてのチャレンジも兼ねております。 今後のユーザー動向も⾒つつ判断してまいります。
開発期間の⻑期化を懸念しており、今後の対応について伺いたい。
ハードの⾼性能化に伴う表現の幅の拡⼤により、開発する物量が⼤幅に増加しております。
また、⾼いクオリティを担保するため、開発⻑期化の傾向にございます。
リソース投⼊時期をコントロールしているほか、当社ゲームエンジンである「RE エンジン」の機能を拡充する等、開発の効率化について随時検討・対応を⾏っております。
新作タイトルに関して、ボリューム不⾜や最適化不良などの声があるが、今後の対応について伺いたい。
ユーザーの皆様からのフィードバックは、開発チーム⼀同、⽬を通しております。
今後のアップデート等を通じて、ユーザーの皆様により⼀層ご満⾜いただけるよう対応を進めてまいります。
過去作のリメイクや休眠 IP の復活が進めてられているが、「囚われのパルマ」や「デビル メイ クライ」等について、今後のシリーズ展開について伺いたい。
全てのIPが当社にとって⼤切であり、ゲームに限らずメディアも含めて展開を考えてまいります。
グローバルに幅広いユーザーの⽅に楽しんでいただけるよう、今後も当社IPの活⽤については引き続き検討を進めてまいります。
メタバースについての考え⽅を教えてほしい。
将来性のある技術だと感じておりますが、情勢を⾒据えて対応を判断してまいります。
e スポーツのイベントにおいて、ドーピング検査を導⼊しているのか。
当社は、主催する⼤会においては現時点では導⼊しておりませんが、コントローラー利⽤規定をはじめとする公式規程を設け、選⼿がこれらのルールを遵守することを条件として、選⼿が平等にプレイできる環境を整備しております。
「CAPCOM Creators JP」はどのようなプロジェクトなのか。また、このプロジェクトによるカプコンタイトルへの影響を伺いたい。
「CAPCOM Creators JP」は、YouTuber など⼀般のクリエイターの⽅々にカプコンタイトルの魅⼒を発信いただき、盛り上げていただくことを⽬的としたプロジェクトになります。クリエイターの⽅々の独⾃の視点で発信いただき、当社ブランド認知とユーザーの拡⼤を期待しております。 直近では、『モンスターハンターワイルズ』において最新情報をYouTubeでそれぞれ発信いただいたほか、『ストリートファイター6』では公式イベント「チャンスを掴め︕Capcom Creators JP杯」の開催を6⽉21⽇に予定しております。 今後も展開を推し進め、当社ブランド認知とユーザーの拡⼤を図ってまいります。
出典元:「カプコンIR」様